円形脱毛症Q&A

円形脱毛症はうつりません。円形脱毛症は、原因が確定されていませんが、遺伝的素因があるといわれています。これは、家族の中での発症が30%ほどみられるからです。また、二卵性双生児の場合、片方にしか発症しないのに対し、一卵性双生児の場合は、両方に発症する確率が高いという症例報告があります。

 

よって、家族の中に、円形脱毛症の経験者がいる場合、円形脱毛症になる可能性はありますが、円形脱毛症の脱毛部位に触ったり、円形脱毛症の患者と接触したことで、うつるということはありません。円形脱毛症が発症した人の周囲で、円形脱毛症が起こることがあるのですが、これは、うつったのではなく、違う原因が考えられます。

 

周囲の人が円形脱毛症を発症する理由として、同じストレスを共有していることがあげられます。職場や生活環境が同じであると、受けるストレスも、同じだけあり、円形脱毛症を集団で発症することも考えられます。同じ時期にストレスを受け、円形脱毛症を発症しても、症状は、部分的に脱毛するケースや、一気に頭部の毛髪が抜け落ちるケース、少しずつ脱毛部が広がっていくケースなど、人それぞれです。

 

もうひとつの理由は、円形脱毛症を実際に見て、ショックを受けたり、心配してそれがストレスとなり、円形脱毛症を発症することがあります。繊細な人が、なりやすいといわれています。中には、円形脱毛症を見たことで、自分も脱毛症になって、頭の髪の毛が全部抜け落ちてしまった夢を見たという人もいます。

円形脱毛症という病気がそのまま遺伝することはありませんが、円形脱毛症の原因として、遺伝的素因が考えられます。円形脱毛症の原因は、確実には分かっていません。原因とされるものはいくつかあり、そのなかに、遺伝的素因があります。

 

円形脱毛症を発症した人のいる家族の中で、他の人が発症する確率は30%といわれています。双生児法を用いた調査では、一卵性双生児の場合、両方が円形脱毛症を発症する確率が高く、二卵性双生児の場合は、片方だけが発症するという症例報告があります。HLAの型の検査では、円形脱毛症の患者には、共通するHLAの型があるという結果が出ています。

 

こういったことから、遺伝的素因が円形脱毛症の原因であることは、確実とされています。遺伝が円形脱毛症の原因だからといって、必ず円形脱毛症になるわけではありません。あくまで、なりやすい体質が遺伝されてるということです。日ごろから頭皮や髪の毛を清潔に保ち、夜更かしや偏食を避け、規則正しい生活と食事をするように心がけましょう。

 

【一口メモ】
その他の円形脱毛症の原因としては、自己免疫疾患、ストレスなどがあげられます。自己免疫疾患では、免疫機能が何らかの異常で、自分の身体の一部である毛根を異物と勘違いし、攻撃した結果、髪の毛が抜け落ちてしまいます。また、ストレスによる円形脱毛症は、脱毛が始まった3〜4ヶ月前に受けたストレスや環境の変化、心配事が影響し、起こるといわれています。

円形脱毛症時のパーマやカラーリングは避けてください。かつらは、使用しても問題はありません。パーマやカラーリングの薬品は、刺激が強いため、よくありません。頭皮に薬品が付いてしまった場合、その刺激によって、脱毛部分が増えるなどの悪影響が出る可能性もあります。かつらは、問題ありません。精神的な苦痛を和らげるためにも、かつらは必要です。

 

現在かつらは、特別必要でなくても、洋服を着替えるように、かつらもコーディネートによって変えるなど、ファッションとして考え、購入している人が増えています。販売店も多くあり、また、直接お店に行かなくても、インターネットで、注文や予約、相談などができます。かつらを使用していることを家族や周りの人に感づかれたくないという人のために、商品の送り主を人名にしたり、郵便局止まりで届けたりなど、プライバシーについても、考慮しており、他人の目を気にすることなく、気軽にかつらを購入することができます。

 

かつらの専門店などでは、プライバシーのために、部屋は全て個室であったり、同性の相談員で対応してくれたり、個室の美容室が併設されていて、かつらをつけていても、普通におしゃれを楽しむことができます。

 

【一口メモ】
かつらには、医療用かつらというのがあり、抗がん剤治療や円形脱毛症、交通事故などでの外傷などによって、脱毛がある場合に使用するかつらのことを言います。医療用かつらは一般のかつらと構造や素材が異なると考えている人がいますが、実際は、ほぼ同じものです。医療用かつらには、定められた規定はありません。販売店によって、内容は変わりますので、注意が必要です。

頭に円形の脱毛部分などを見つけた場合、まずは、皮膚科の病院に行くことをおすすめします。頭部に10円玉大の脱毛があったり、頭髪が全体的に薄くなってしまった場合、円形脱毛症であるという確証はありません。また、原因が何なのかもわかりません。

 

自己判断で、原因はストレスと考え、心療内科を受診したり、いつか治るだろうと、自然に治るのを待っていると、逆に症状が悪化する可能性があります。円形脱毛症は、本人が気付かないうちに、発症し、周りの人に指摘されて気がつくことや、気付かないうちに発症し、気付かないまま自然治癒してしまうこともあります。

 

ストレスが原因の場合、病院での治療を受けていなくても、ストレスを軽減または抹消することで、6ヶ月くらいで自然に治るといわれています。しかし、円形脱毛症の原因はストレスだけではありません。発症のしかたによっては、他の原因や病気も考えられます。勝手な自己判断は避け、頭部に脱毛が出てきたら、皮膚科の専門医のいる病院を受診しましょう。

 

【一口メモ】
円形脱毛症を治す方法には、皮膚科などの医療機関で行われる方法以外には、「鍼灸」、「漢方薬」などがあります。「鍼灸」での円形脱毛症の治療は、WHO(世界保健機構)で効果のある治療法として認められています。梅鼻鍼、糸状灸、閻三鍼という発毛に効果があるといわれるツボに鍼を施します。「漢方薬」も、円形脱毛症に効果的とされています。漢方は、その人の症状や体調、体質などに合わせて、処方は様々です。漢方薬を処方してくれる病院もあります。

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