円形脱毛症の治療

円形脱毛症の病院での治療は、病院や個人の症状によってさまざまな治療法があります。

 

●ドライアイスや液体窒素を使用した治療法
粉状のドライアイスを固めたものや、脱脂綿につけた液体窒素を脱毛した部分に1〜2秒当て、それを数回繰り返すことで、脱毛部分を軽い火傷状態にします。これは、リンパ球の毛髪を攻撃している動きを、他の部分に注意をそらせ、円形脱毛症の症状を軽減する方法です。治療には、チクチクとした痛みがありますが、約70%の人に発毛の効果が現れています。

 

●局所免疫療法
SADBEやDPCPという化学溶液を脱毛部分に湿布し、痒くならない程度の弱い炎症を起こさせる治療方法です。1〜2週間に1回の割合で治療を行います。90%以上の人に効果があり、現在、最も有効で安全性の高い治療法といわれています。

 

●紫外線療法
PUVA療法とも呼ばれ、脱毛部分に紫外線を照射したり、ソラレンという薬品を湿布するのを、1〜2週間に1回行います。約70%の効果があるようですが、紫外線による副作用などの危険性が指摘されています。

 

●温熱療法
45〜50度くらいの温度のスチーマーを約15分間行う療法です。週1〜2回行い、血圧の高い人や心不全の人、発熱時、幼児には行うことができません。

 

これらの他にも、交感神経節である星状神経に局所麻酔を注射するSGB療法や、新陳代謝を促進する赤外線療法などいろいろな治療法があります。また、ステロイド剤をはじめとする、注射や内服薬、外用薬などを使用する治療法もあります。円形脱毛症は自然に治ることも多くありますが、長期間かかる場合がありますので、円形脱毛症になったら、まずは病院でみてもらうと良いでしょう。

円形脱毛症の治療は、病院などの医療機関以外で行っているものがあります。治療法ではありませんが、円形脱毛症は自然治癒する場合も多くあります。中には、円形脱毛症になっているいことに気付かないうちに、そのまま、いつの間にか自然に治ってしまう場合もあります。ストレスによる円形脱毛症は、自然治癒するものがほとんどです。

 

脱毛症になってしまったことをクヨクヨと考えてしまうと、それがさらにストレスになり、悪循環になります。ストレスの解消方法は人それぞれですが、身体をしっかりと休め、いつかは治るというくらの気持ちでいることが大切です。

 

鍼やお灸を週2〜3回の割合で続けると、3〜6ヶ月で脱毛部分に改善が見られたという話があります。鍼灸の治療は円形脱毛症の治療に効果が出る可能性のある方法であるとWHO(世界保健機構)で認められています。

 

また、手もみ療法というものがあり、これは、自律神経失調症などの症状にも効果がある方法です。1日3回、爪の生え際の端を10秒ほどやさしく揉みます。ここで注意しなければならないのは、中指の爪は揉まないことです。そうすることで、リラックス効果があり、免疫機能が高まるといわれています。

 

その他にも、生姜の生汁を湿布することで、血行促進の効果があったり、少量のセンブリをすり込むようにマッサージをしたり、アロマのレモングラスやレモンユーカリ、メリッサなどのレモンの香りのするエッセンシャルオイルは、免疫系を活性化、白血球を刺激する作用があるなどの療法があります。

 

病院以外の治療法、いわゆる民間療法は、インターネットで調べてみると、多くの方法があります。気になるものがあれば、試してみてはどうでしょうか。

円形脱毛症の原因がはっきり分かっていないため、治療法も確立されていないのが現状です。人間の毛周期と同じ毛周期を持つ動物がいないので、治療薬の実験ができないことが理由のひとつとしてあげられます。よって、円形脱毛症で使われる薬は対処療法になります。

 

円形脱毛症の薬には、飲み薬と塗り薬があります。塗り薬には、塩化カルプロニウムを成分とした薬とステロイド系の薬があります。フロジン液は、塩化カルプロニウムを5%含有した塗り薬です。医療用で、皮膚科などで円形脱毛症の治療薬として処方されます。皮膚の血管を拡張し、血流促進の作用があります。

 

ステロイド系の塗り薬は、いくつかの種類があります。よく処方されるものは、フルメタやアンテベート、リンデロンDP、デルモベートなどがあげられます。これらは、ステロイド剤である副腎皮質ホルモンの外用薬で、作用の強さから、「最強」、「かなり強力」、「強力」、「中程度」、「弱い」の5段階に分けられています。

 

●フルメタ(成分:フランカルボン酸モメタゾン)
●アンテベート(成分:酪酸プロピオン酸ベタメタゾン)
●リンデロンDP(成分:ジプロピオン酸ベタメタゾン)
これらは、「かなり強力」なステロイド剤で、炎症を抑える強い作用があります。腫れや赤みなどの炎症による症状をやわらげ、かゆみや痛みなどを落ち着かせます。

 

●デルモベート(成分:プロピオン酸クロベタゾール)
これは、「最強」のステロイド剤で、上記のステロイド剤より、炎症を抑えるさらに強い作用が期待されます。

 

 

飲み薬には、セファランチン、グリチロン、エバステル錠、プレドニンなどがあります。

 

●セファランチン(成分:セファランチン)
アレルギーを抑制し、免疫機能増強作用や血流促進作用、造血機能改善作用により、免疫力の低下や白血球の減少を抑え、頭皮の血流を良くします。

 

●グリチロン(成分:グリチロン)
免疫調節作用や抗アレルギー作用、抗炎症作用により、脱毛部分の炎症やアレルギーを抑えます。

 

●エバステル錠(成分:エバスチン)
抗ヒスタミン剤で、アレルギー全般を改善する作用があります。

 

●プレドニン(成分:プレドニゾロン)
副腎皮質ホルモンというステロイド剤です。炎症や免疫系の作用を抑えます。

 

円形脱毛症に使われる薬は、多くの種類があります。どの薬に効果があるのかは、人それぞれ異なりますので、専門医とよく相談した上で、また、根気よく使用することが大切です。

円形脱毛症の治療のひとつに漢方薬があります。漢方薬は、円形脱毛症の症状や原因などの情報はもちろん、その他体調や体質、円形脱毛症以外の症状などの情報も参考にします。それらを総合的に判断して、その人に合った漢方薬が調合されます。

 

漢方では、髪の毛のトラブルは、栄養不良や頭皮の血流の不良が原因であると考えられており、円形脱毛症に有効な漢方薬が多くあります。円形脱毛症の場合、処方されることの多い漢方薬は、

 

●柴胡加竜骨牡蠣湯(サイコカリュウコツボレイトウ)
体力があり、ストレスの抑制や、不眠、動悸などの精神神経症状などに用いられます。

 

●桂枝加竜骨牡蠣湯(ケイシカリュウコツボレイトウ)
体が弱く、免疫力が低い人で、ストレス抑制に効果的です。

 

●小柴胡湯(ショウサイコトウ)
体力が中等度、または小児や青年期の人で、円形脱毛症を起こしている人に効果があるといわれています。

 

●加味逍遙散(カミショウヨウサン)
体力がない人で、ストレスを抑制します。女性によく用いられます。

 

●葛根湯(カッコントウ)
原因がわからず、突然に丸く脱毛してしまった場合に用いられます。

 

などです。

 

漢方薬は、処方される内容も、効果の現れ方も人それぞれです。服用期間は、数ヶ月から1年以上といわれています。処方された漢方薬が症状に適合した場合、すぐに髪の毛が伸び始めることもあるそうです。漢方薬で治療を考えたい場合は、漢方薬の専門家に相談しましょう。

円形脱毛症の治療は、健康保険が適用されますので、心配な場合は、皮膚科や脱毛症の専門医で相談・治療を行いますが、症状が軽度の場合、市販されている円形脱毛症の治療薬でも、効果があるといわれています。

 

飲み薬では、「ハツモール内服錠」があります。これは、医療処方薬のセファランチンが含まれています。ハツモール内服錠は、生薬とビタミン類を主体とした医薬品で、飲む発毛促進剤として市販されています。体内より栄養の補給をして、局所的な栄養障害を体内から改善、皮下組織の栄養を良好にし、毛乳頭組織の発毛する力を復活させ、発毛しやすい体質にします。また、精神的ストレスや自律神経の障害による脱毛症については、内科的に精神安定を補助します。

 

患部に塗る薬は、育毛剤として、「ハツモール・ヘアーグロアーS」、「ハツモール頭髪用軟膏S」「カロヤンガッシュ」があります。「ハツモール・ヘアーグロアーS」は、女性ホルモンである、安息香酸エストラジオールと薄毛、発毛促進に効果がある有効成分により、髪の毛を健やかに成長させます。また、ハツモール内服錠と併用した場合、発毛改善の向上が見られたという報告があります。

 

「ハツモール頭髪用軟膏S」は、円形脱毛症や生え際など気になる部分に直接塗って効く発毛促進剤です。軟膏タイプで塗りやすく、薬が頭皮に密着するため、持続効果や保湿効果がすぐれ、頭皮の毛細血管の動きを活発にさせます。毛乳頭の賦活作用を促進し、衰えた細胞を活性化させ、毛根部の障害を回復、発毛促進を促します。

 

「カロヤンガッシュ」は、医療処方薬であるフロジン液に含まれる成分塩化カルプロニウムを主成分として配合しています。処方薬と異なるのは、塩化カルプロニウムの配合率で、フロジン液では5%、カロヤンガッシュでは2%となっています。頭皮や毛根に対し、血行促進作用を高めた発毛促進剤です。生薬を含む6種類の成分が複合的に作用し、発毛促進や育毛、脱毛予防などに効果を発揮します。

円形脱毛症になってしまった場合、日常生活において、注意しておきたいことがあります。まず、食事ですが、バランスの摂れた食事を取るように心がけましょう。偏った食事は身体のバランスを崩す原因になります。

 

睡眠はしっかりと取る必要があります。髪の毛は、夜10時から深夜2時くらいまでに成長するといわれています。この時間帯に十分な睡眠を取ることで、頭皮の血流を良くし、髪の毛の成長を促します。遅くても12時までには布団に入り、睡眠を取りましょう。ゆっくりと身体を休めることで、免疫調節力の回復が期待でき、ストレスの軽減にもなります。

 

ストレスを溜めないことはとても大切です。ストレスを受けると、人間は、交感神経を刺激され、末梢神経や毛細血管が収縮します。それが、髪の毛の成長を妨げる原因となりますので、注意が必要です。ストレスを溜め込まないためにも、趣味の時間を作ったり、何も考えない時間を作ったり、運動をするなど、自分に合ったストレス解消方法を見つけると良いでしょう。

 

頭皮マッサージは、血行を良くします。また、頭部にはツボが多いので、円形脱毛症関係なく、普段から軽いマッサージをすると気持ちよく、リラックスできるでしょう。ただし、円形脱毛症の進行中などで、頭皮に炎症などがある場合は、マッサージをすると逆効果となる可能性があるので、無理なマッサージは避けましょう。

 

円形脱毛症では、抜毛は特に気になります。髪の毛を洗うと、たくさんの髪の毛が抜けそうで、シャンプーをしなくなってしまう人がいます。髪の毛と地肌を清潔に保つことはとても大切で、シャンプーをしなくなることは、汚れや油分によって毛穴がふさがり、抜毛を増やしてしい、かえって逆効果です。洗髪は毎日1回必ず行いましょう。

 

また、シャンプーの種類についてですが、一般に使われているシャンプーは、合成界面活性剤が入っており、頭皮の弾力やうるおいを奪うことが明らかになっています。円形脱毛症の場合は、天然成分でできている自然派シャンプー等を使用すると良いでしょう。

 

日常生活での注意点は、当たり前のことがほとんどです。健康的な生活を送ることが、円形脱毛症の改善につながります。

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