私が、円形脱毛症を発症したのは、小学校低学年の頃です。私自身は、脱毛していることに気付かず、ある時、母親に言われて初めて気付きました。脱毛した部分は、他人からは分かりづらい場所だったので、気にすることはありませんでした。周りのクラスメイトも気付くことはなく、いつのまにか、脱毛は治っていました。
しかし、小学校高学年の時に、再び脱毛が始まりました。はじめは、左と右に小さい脱毛部分ができました。とても気になって、何度も触ったり、学校のトイレの鏡で見たりしていました。すると、どんどん広がって行き、最終的には、頭の髪の毛が全て抜け落ちてしまいました。母と一緒に近所の皮膚科へ行き、円形脱毛症と診断されました。病院でかつらメーカーの紹介を受け、そこで、オーダーメイドのカツラを作りました。
僕は、かつらをつけてから、かつらがばれないように気を使い、かつらがずれないように気をつけ、その結果、存在の薄い少年になってしまいました。友達ができることもなく、中学校までは、辛い毎日でした。
高校に進学する時に、自分を変えようと、地元ではなく、登下校に1時間以上かかる高校に通うことにしました。なんとか、友達ができましたが、円形脱毛症であることを言うことはできませんでした。大学では、病気のことを言ったことで、親友ができなく、悩みました。サーフィンに興味がありましたが、円形脱毛症のことを考えると、始める勇気はありませんでした。
自分はどうして、こんなに辛い人生を歩んでいるんだろうと、精神的に限界を感じていたとき、円形脱毛症患者のための会があることを知りました。自分と同じ境遇の人達は、どんな気持ちで、どんな生活を送っているのか気になり、思い切って参加してみました。
会員のみんなは、自分と同じ円形脱毛症なのですが、明るく前向きな人がたくさんおり、自分だけが辛いと思っていたことが、恥ずかしくなりました。会員のみんなと話をしていくうちに、勇気が湧いてきました。
私は、高校時代からの友人に、自分の病気のことを話し、かつらを脱ぎ、スキンヘッドを見せました。驚いたようですが、なんとなく分かっていたそうです。友人は「正直に話してくれてありがとう」と言ってくれ、私は、うれしさと申し訳なさでいっぱいになりました。今では、その友人が親友です。自分が変われば、周りも変わるということを知りました。
円形脱毛症ってご存知のかたも少なくはないですよね。円形脱毛症は円形や楕円形の輪郭のはっきりした脱毛が起こってしまい、拡大していくことをいいます。これは自覚症状が無いことがほとんどで、周りにいる人間が先に気付いて、初めて本人が気付く場合もあります。円形脱毛症には種類があります。大きく分ければ5つに分類されます。まずは単発型円形脱毛症です。
それから多発型円形脱毛症です。これは頭髪の数箇所で同時に脱毛が多発的に起こります。2つ以上の脱毛部分が結合し、大きくなることがあります。一度治ったとしても繰り返す可能性がありますが、適切な治療が行われれば、半年から2年ほどで完治する場合もあるといわれています。3つ目は多発融合型円形脱毛症です。女性に多いといわれる「びまん性脱毛症」と小児に多いといわれる「蛇行性脱毛症」に分かれています。
4つ目は全頭円形脱毛症で数箇所で脱毛していた部分が、だんだんと結合し、最終的には頭髪が全て抜けてしまう症状です。治りが悪く、治療には長い期間が必要となります。最後に汎発性円形脱毛症です。これは円形脱毛症の中で、もっとも重い症状です。頭髪以外にも、眉毛やまつ毛、ひげ、わき毛、陰毛、その他全身の毛が抜けてしまいます。円形脱毛症の発症率は、男性よりも女性の方が高いといわれており子供にも発症することもあります。