円形脱毛症の原因がはっきり分かっていないため、治療法も確立されていないのが現状です。人間の毛周期と同じ毛周期を持つ動物がいないので、治療薬の実験ができないことが理由のひとつとしてあげられます。よって、円形脱毛症で使われる薬は対処療法になります。
円形脱毛症の薬には、飲み薬と塗り薬があります。塗り薬には、塩化カルプロニウムを成分とした薬とステロイド系の薬があります。フロジン液は、塩化カルプロニウムを5%含有した塗り薬です。医療用で、皮膚科などで円形脱毛症の治療薬として処方されます。皮膚の血管を拡張し、血流促進の作用があります。
ステロイド系の塗り薬は、いくつかの種類があります。よく処方されるものは、フルメタやアンテベート、リンデロンDP、デルモベートなどがあげられます。これらは、ステロイド剤である副腎皮質ホルモンの外用薬で、作用の強さから、「最強」、「かなり強力」、「強力」、「中程度」、「弱い」の5段階に分けられています。
●フルメタ(成分:フランカルボン酸モメタゾン)
●アンテベート(成分:酪酸プロピオン酸ベタメタゾン)
●リンデロンDP(成分:ジプロピオン酸ベタメタゾン)
これらは、「かなり強力」なステロイド剤で、炎症を抑える強い作用があります。腫れや赤みなどの炎症による症状をやわらげ、かゆみや痛みなどを落ち着かせます。
●デルモベート(成分:プロピオン酸クロベタゾール)
これは、「最強」のステロイド剤で、上記のステロイド剤より、炎症を抑えるさらに強い作用が期待されます。
飲み薬には、セファランチン、グリチロン、エバステル錠、プレドニンなどがあります。
●セファランチン(成分:セファランチン)
アレルギーを抑制し、免疫機能増強作用や血流促進作用、造血機能改善作用により、免疫力の低下や白血球の減少を抑え、頭皮の血流を良くします。
●グリチロン(成分:グリチロン)
免疫調節作用や抗アレルギー作用、抗炎症作用により、脱毛部分の炎症やアレルギーを抑えます。
●エバステル錠(成分:エバスチン)
抗ヒスタミン剤で、アレルギー全般を改善する作用があります。
●プレドニン(成分:プレドニゾロン)
副腎皮質ホルモンというステロイド剤です。炎症や免疫系の作用を抑えます。
円形脱毛症に使われる薬は、多くの種類があります。どの薬に効果があるのかは、人それぞれ異なりますので、専門医とよく相談した上で、また、根気よく使用することが大切です。
円形脱毛症のPUVA療法についてご紹介します。病院において円形脱毛症の治療は色々と用意されています。脱毛した部分に紫外線を照射するPUVA療法もそのひとつになります。また、脱毛した部分に液体窒素をスプレーで吹きつける方法もありますし、液体窒素をひたした綿棒を接触させるといった、液体窒素凍結治療というものもあります。
こういったさまざまな治療方法を用いても円形脱毛症がなかなか治らない場合は、副腎皮質ホルモン剤を脱毛した部分に直接注射するという方法も病院によってはとられています。脱毛した部分が広範囲なケースの場合は、副腎皮質ホルモン剤の内服治療がとられています。円形脱毛症は自然に治癒することが多いといわれています。
しかし、円形脱毛症が長期間にわたって治らなかったり、脱毛した部分が広がってしまい全頭型や汎発型になるようなケースもありますので、もしも円形脱毛症になっていると気づいたら、早めに皮膚科のある病院を訪ねるようにしたほうがよいでしょう。円形脱毛症に限らず病気は早期に発見して治療をすることが大切です。